セイワホールディングス(東証グロース、証券コード523A)は2026年7月31日、視線誘導標「ポストフレックス」の国内独占販売権を持つ保安道路企画株式会社(神奈川県横浜市旭区)の株式を取得し、完全子会社化することを取締役会で決議し、同日付で株式譲渡契約を締結しました。株式譲渡の実行は2026年8月31日を予定しています。
発表の概要
セイワホールディングスは、後継者不在の中小製造業を対象にM&Aを連続的に行う製造業特化型の事業承継プラットフォーマーです。祖業である株式会社セイワ工業は道路関連資材の製造を手掛け、道路インフラ分野に事業基盤を持っています。今回株式を取得する保安道路企画は1974年創業(設立2020年3月)、資本金2,000万円、従業員35名(2025年7月末現在)の企業で、米国PEXCO社の視線誘導標「ポストフレックス」の国内独占販売権を持ち、保安用品の製造・販売・リースおよび交通安全施設工事を手掛けています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 譲渡元(売り手) | いわかぜ2号投資事業有限責任組合(70.0%)、森健太郎氏(代表取締役、20.0%)、その他(10.0%) |
| 取得対象 | 保安道路企画株式会社の発行済株式全部(130,000株) |
| 事業内容 | 視線誘導標「ポストフレックス」等保安用品の製造・販売・リース、交通安全施設工事、公共サイン・標識設置工事 |
| スキーム | 株式譲渡(完全子会社化) |
| 取得価額 | 非開示 |
| 契約締結日 | 2026年7月31日 |
| 株式譲渡実行日 | 2026年8月31日(予定) |
保安道路企画の2025年7月期の業績は、売上高11億3,300万円、営業利益1億3,900万円、純資産11億2,200万円でした。
背景
セイワホールディングスはM&A戦略において「ニッチで競合優位性を持つ会社」という方針を重視しており、保安道路企画は視線誘導標という市場でPEXCO社からの独占販売権や自社加工ノウハウによる高い競合優位性を持つ点が評価されました。祖業セイワ工業の道路関連資材と保安道路企画の製品は親和性が高く、両社の顧客基盤を活用したクロスセルやセット販売による顧客単価向上のシナジーが見込まれるとしています。交通安全市場は、道路インフラの老朽化に伴う更新需要や国土強靱化・防災投資の進展を背景に、中長期的な拡大が見込まれる分野です。
セイワホールディングスは2026年7月15日開示の決算説明資料で、自社を「後継者不在の中小企業のM&Aを連続的に行い、独自の仕組みでバリューアップを行う製造業特化型の事業承継プラットフォーマー」と位置付け、EV/EBITDA5倍前後を基準とする投資規律を掲げるとともに、2026年7月15日時点で6,385〜8,590百万円の投資余力があるとしています。今回の保安道路企画の取得は、こうした投資余力を背景に、ニッチな独占的地位を持つ企業を取り込む同社の一貫した戦略の延長線上にあると位置付けられます。
今後の予定
株式譲渡は2026年8月31日に実行される予定です。本件が2027年5月期の連結業績に与える影響については現在精査中であり、セイワホールディングスは公表すべき事項が生じた場合には速やかに開示するとしています。
解説
本件は、PEファンドが投資先企業を事業会社へ譲渡する「イグジット」の一例です。保安道路企画の株主構成は投資組合が70.0%を占めており、一般に、PEファンドが投資先の株式譲渡による売却を通じて投資回収を図ることは珍しくありません。事業承継の受け皿が同業の中小企業だけでなく、上場企業による連続買収の枠組みであるケースも直近よく見られる事例となります。自社の強み(本件では独占販売権というニッチ性)を客観的に整理しておくことが、会社売却の進め方を検討する出発点になります。
次に読む
※本記事は2026年7月31日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

