「事業継承」と「事業承継」、検索していてどちらが正しい表記か迷っていませんか。読み方は「事業承継(じぎょうしょうけい)」「事業継承(じぎょうけいしょう)」と異なりますが、ほぼ同じ意味の言葉として使われており、法令や公的な制度で使われる表記は決まっています。本記事では両者の違いと、書類やネット検索での正しい使い分けを解説します。
事業継承と事業承継の違い
実務・法令・支援制度で使われる正式な表記は「事業承継」です。「事業継承」は日常的な言い換えとして通用しますが、法律名や公的な制度名はすべて「承継」の字で統一されています。まずはこの結論を押さえたうえで、言葉としての意味の違いを見ていきましょう。
「継承」と「承継」の意味の違い
国語辞典的には、両者は近い意味を持ちながらもニュアンスが異なるとされています。「継承」は身分・財産・権利や義務など、比較的具体的なものを受け継ぐ場面で使われることが多い言葉です。一方「承継」は、地位や事業、方針といった、組織的な広がりを持つものを受け継ぐ場面で使われる傾向があります。厳密な使い分けが定められているわけではなく、重なる部分も少なくありません。
| 表記 | 主な使われ方 | 用例 |
|---|---|---|
| 継承 | 身分・財産・権利義務などを受け継ぐ | 王位継承、財産継承 |
| 承継 | 地位・事業・方針など組織的なものを受け継ぐ | 事業承継、経営承継 |
公的な制度名はすべて「承継」で統一
中小企業の事業承継を支える法律や制度は、名称に一貫して「承継」の字が使われています。たとえば経営承継円滑化法(正式名称:中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律)は、事業承継を法的に支える根拠法です。経営承継円滑化法の内容は別記事で詳しく確認できます。
国税庁が案内する事業承継税制も、正式には「非上場株式等についての贈与税(相続税)の納税猶予及び免除の特例」と呼ばれる制度で、広く使われる「事業承継税制」という通称にも「承継」の字が用いられています。仕組みは事業承継税制とはで解説しています。全国47都道府県に設置される事業承継・引継ぎ支援センターも、名称は「承継」です。
実務での意味
書類やネット検索ではどちらを使うべきか
補助金の申請書類、金融機関への相談、専門家への依頼など、実務の場面では「事業承継」を使うのが無難です。制度名や法令名と表記をそろえておくと、書類の記載や情報の検索で迷いにくくなります。「事業継承」と書いても意味は通じますが、公的な文書ではなるべく避けたほうが安心です。
事業承継の入口を押さえる
事業承継には大きく3つの選択肢があります。子や親族に引き継ぐ親族内承継、役員や社員に引き継ぐ社内承継、社外の第三者に引き継ぐM&Aです。どの方法でも準備期間が必要で、後継者選びや自社株の整理、資金計画などを早めに進めることが望まれます。
相談先に迷う場合は、事業承継・引継ぎ支援センターのような公的機関を利用する方法もあります。全国47都道府県に無料の窓口があり、親族内承継からM&Aまで幅広く相談できます。
まとめ
- 実務・法令・支援制度で使われる正式な表記は「事業承継」
- 「継承」は身分・財産、「承継」は地位・事業を受け継ぐ意味合いで使われる傾向がある
- 書類作成やネット検索では「事業承継」の表記にそろえるのが安心
次に読む
- 事業承継の選択肢まとめ:親族内承継・従業員承継・M&Aの3つの道を比較し、承継の全体像がつかめます。
- 事業承継にかかる期間・スケジュール:準備をいつから始めるべきか、具体的な期間の目安がわかります。
- 事業承継の相談先はどこ?:公的機関や専門家など、実際に相談する一歩を後押しします。

