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事業承継の相談先はどこ?公的機関と専門家の選び方

事業承継の相談先はどこ?公的機関と専門家の選び方|M&A Times

「後継者が決まらない」「誰に相談すればよいのか分からない」。事業承継を考え始めた経営者から、こうした声をよく聞きます。相談先の候補は複数あり、それぞれ得意分野や費用の考え方が異なります。本記事では、後継者や承継の進め方に悩む中小企業の経営者向けに、相談先の整理の仕方を解説します。

すでに社外への引継ぎ(M&A)を決めており、進め方そのものを知りたい場合は、M&Aの流れ完全ガイドが参考になります。本記事は、承継の方向性も相談先もまだ決まっていない段階の方に向けた内容です。

結論:承継の方向性で相談先は変わります

事業承継の相談先は一つに絞る必要はなく、悩みの段階や承継方法に応じて使い分けるのが基本です。何も決まっていない段階であれば、国が設置する事業承継・引継ぎ支援センターやよろず支援拠点など、無料の公的相談窓口で全体を整理する方法があります。

一方で、社外への引継ぎ(M&A)を視野に入れているなら、初回相談を無料としているM&A仲介・FAに早めに相談するのも有効です。売却できる可能性や相場観、進め方までまとめて確認でき、秘密保持契約(NDA)を前提に情報収集の手段として使えます。

そのうえで、税務・法務など専門性の高い論点は顧問税理士や弁護士に、社外への引継ぎ(M&A)を具体的に進める段階では仲介会社やFA(フィナンシャルアドバイザー)に相談を広げていくのが、無理のない進め方です。

事業承継の相談先は6つに整理できます

事業承継に関わる相談先は、公的機関から専門家まで幅広く存在します。代表的な6つを、得意領域・費用・向く人の観点で比較すると、次のとおりです。

相談先得意領域費用向く人
事業承継・引継ぎ支援センター承継全般の一次相談、後継者人材バンクによるマッチング無料まだ何も決まっておらず、まず整理したい人
商工会議所・商工会/よろず支援拠点地域に根差した経営相談全般、日頃の経営課題との橋渡し無料身近で継続的に相談できる窓口を持ちたい人
顧問税理士・公認会計士自社株評価や税務・財務の実態把握既存の顧問契約の範囲内で対応される場合が多いすでに顧問がいて経営状況を把握してもらっている人
取引金融機関資金調達、後継者への融資、承継計画への助言相談自体は無料が一般的事業を理解している取引金融機関がある人
M&A仲介・FA社外への引継ぎ(M&A)の相手探しから交渉・成約までの支援着手金・中間金・成功報酬など契約により異なる第三者承継を具体的に検討している人
弁護士株式・遺留分の整理、契約書の精査など法務面のリスク検討相談料・着手金は事務所により異なる相続人間の調整や契約書のチェックが必要な人
費用は一般的な傾向であり、実際の金額は事業者や案件により異なります。契約前に必ず個別に確認してください。

仲介とFAの立場の違いをより詳しく知りたい場合は、M&A仲介とFAの違いで解説しています。

承継方法で相談先の重心は変わります

事業承継は、大きく親族内承継・社内承継(従業員承継)・第三者承継(M&A)の3つに分かれます。承継方法によって、重点的に相談すべき先は変わります。

親族内承継の場合

子どもなど親族へ引き継ぐ場合は、自社株の評価や贈与・相続に伴う税務が論点になりやすく、まず顧問税理士への相談が中心になります。相続人が複数いる場合は、遺留分や株式の分散を巡って弁護士への相談も必要になることがあります。進め方の全体像は親族内承継の進め方で解説しています。

社内承継(従業員承継)の場合

役員や従業員へ引き継ぐ場合は、後継者本人に株式取得の資金力がないことが課題になりやすく、取引金融機関への相談が重要な位置を占めます。仕組みの詳細は従業員承継(EBO)で解説しています。事業承継・引継ぎ支援センターでも、専門家の紹介を通じて資金調達の相談に対応しています。

第三者承継(M&A)の場合

社外の企業や個人へ引き継ぐ場合は、相手探しから交渉、契約までを担うM&A仲介・FAへの相談が中心になります。初回相談を無料としている会社が多く、まだ売ると決めていない段階でも、売却の可能性や相場観を確かめる情報収集の手段として使えます。相手候補のあてがまったくなく、公的な立場でのマッチングから始めたい場合は、事業承継・引継ぎ支援センターの後継者人材バンクも選択肢です。仲介会社を比較検討する際の視点はM&A仲介会社の選び方で解説しています。

よくある失敗・注意点

相談先選びでは、次のような点でつまずくケースが見られます。

  • 最初に相談した1社の話だけで判断し、比較検討をしないまま契約してしまう
  • 顧問税理士だけに相談を続け、第三者承継(M&A)という選択肢の検討が遅れる
  • 弁護士への相談を後回しにし、相続人間の遺留分や株式分散のトラブルが承継の直前に表面化する

いずれも、複数の相談先の話を早い段階で聞き、費用や進め方を比較したうえで判断すれば避けやすい失敗です。

まとめ

  • 事業承継の相談先は、公的機関・商工団体・税理士・金融機関・M&A仲介やFA・弁護士の6つに大きく整理できる
  • 何も決まっていない段階では公的窓口で整理する方法があり、M&Aを視野に入れるなら仲介・FAの無料相談も早めの選択肢になる
  • 親族内・社内・第三者承継のどの方法を検討するかによって、重点的に相談すべき先は変わる

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