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敵対的買収とは?仕組み・防衛策をわかりやすく解説

敵対的買収とは?仕組み・防衛策をわかりやすく解説|M&A Times

上場企業のTOB(株式公開買付け)のニュースで、「経営陣の同意を得ない買収」が話題になることがあります。こうした買収は敵対的買収と呼ばれ、対象会社の取締役会が反対する中で進められる点が、通常のM&Aと異なります。本記事では敵対的買収の仕組みと、対象会社が取りうる防衛策をわかりやすく解説します。

敵対的買収とは

敵対的買収とは、対象会社の経営陣の同意を得ずに進める買収のことです。近年は「同意なき買収」という呼称も使われ、経済産業省が2023年に公表した「企業買収における行動指針」でもこの表現が用いられています。買収の是非を最終的に判断するのは経営陣ではなく株主である、という考え方が背景にあります。

敵対的買収の典型的な手法はTOB(株式公開買付け)です。買収者が市場価格に一定のプレミアムを上乗せした価格を提示し、株主から直接株式を買い集める手法です。対象会社の取締役会が事前に賛同していれば友好的買収、賛同を得られないまま進めれば敵対的買収と呼ばれ、同じTOBでも位置づけが異なります。

敵対的買収の主な防衛策

敵対的買収に対して、対象会社はいくつかの防衛策を講じることができます。買収者が現れる前に備える事前的な防衛策と、買収を仕掛けられてから発動する事後的な防衛策に大別されます。代表的なものは次のとおりです。

防衛策タイミング概要
ポイズンピル事前既存株主に新株予約権を割り当て、買収者の持株比率上昇や買収コストを抑制する
ホワイトナイト事後友好的な第三者に買収してもらい、敵対的な買収者を退ける
黄金株事前重要事項に拒否権を持つ株式をあらかじめ発行しておく
ゴールデンパラシュート事前経営陣が退任する際に高額な退職慰労金を支払う契約とし、買収コストを引き上げる

いずれの防衛策も、既存株主や取締役会の利益と整合しているかが問われ、導入には慎重な検討が求められます。

実務での意味

買収を検討する企業にとって

敵対的買収は、対象会社の協力を得られないまま進めるため、通常のM&Aで実施するデューデリジェンス(DD)への協力を得にくくなります。内部情報の把握が限られたまま、買収の判断を迫られる点が実務上の難しさです。時間もコストもかかりやすく、買収成立後も従業員や取引先の反発が残りやすい点がリスクです。実務では証券会社や弁護士事務所、M&A助言会社が買収スキームの設計や資金調達を担い、継続的な助言報酬が発生します。

買収防衛を検討する企業にとって

防衛策の導入は取締役会が主導し、弁護士事務所や信託銀行(株主名簿管理人)、証券会社と連携して設計するのが一般的です。黄金株の発行など株主の権利に関わる施策は、株主総会の特別決議が必要になる場合があります。導入・維持には継続的な報酬が発生するため、平時からの費用対効果を踏まえた検討が欠かせません。

中小企業・非上場企業にとって

非上場の中小企業の株式には、多くの場合譲渡制限が付されています。株式を譲渡するには取締役会や株主総会の承認が必要なため、株主の同意なく株式を買い集める敵対的買収は基本的に起こりにくいのが実情です。中小企業のM&Aは、売り手と買い手が交渉して進める相対取引が中心であり、この記事の内容は主に上場企業に関わる知識として押さえておくとよいでしょう。

まとめ

  • 敵対的買収とは、対象会社の経営陣の同意を得ずに進める買収で、典型的な手法はTOB
  • 防衛策にはポイズンピル・ホワイトナイト・黄金株・ゴールデンパラシュートなどがあり、事前・事後で使い分けられる
  • 非上場の中小企業は株式の譲渡制限により敵対的買収が起こりにくく、M&Aは相対取引が中心となる

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