東京商工リサーチが2026年7月26日に公表した調査で、2026年上半期(1〜6月)の医療機関の倒産が38件だったことが分かりました。前年同期比15.1%増で、2009年の39件に次ぎ、過去20年で2番目に多い水準です。
発表の概要
業態別では、病院(20床以上)が4件(前年同期8件)、クリニック(診療所)が19件(同13件)、歯科医院が15件(同12件)でした。このうちクリニックの倒産は過去20年間で最多を更新し、身近な診療所の経営環境の厳しさを映しています。
| 業態 | 2026年上半期 | 前年同期 |
|---|---|---|
| 病院(20床以上) | 4件 | 8件 |
| クリニック(診療所) | 19件 | 13件 |
| 歯科医院 | 15件 | 12件 |
原因別では、「販売不振」が22件(構成比57.8%)で最も多く、既往の負債が重荷となる「既往のシワ寄せ」の8件(同21.0%)と合わせ、この2要因で全体の約8割を占めています。形態別では破産が37件(前年同期比15.6%増、全体の97.3%)を占め、民事再生法の適用は1件でした。
後継者難を原因とする医療機関の倒産は11件発生し、上半期として過去最多を記録しました。医療機関の倒産全体に占める構成比は28.9%で、約3割に達しています。
背景
東京商工リサーチは、人口減少や患者数の減少、スタッフ不足、医療設備の老朽化など、医療機関を取り巻く課題が山積していると分析しています。これに加え、光熱費や各種備品の高騰も採算悪化に拍車をかけました。医師や歯科医師など資格取得が前提となる業種特有の事情も、後継者確保の高い壁になっています。
解説
医療機関の倒産では、後継者難が全体の約3割を占める形となりました。一般に、資格を持つ後継者が親族や職員の中に見つからない場合、廃業に至る前の選択肢として第三者への承継(M&A)を検討する余地があります。経営体力が残るうちに事業承継の相談先を確認しておくことも、資金繰りが厳しくなってからの選択肢を広げることにつながると考えられます。
出典: 東京商工リサーチ「TSRデータインサイト」2026年上半期「医療機関」倒産 増勢続く 上半期で2番目の38件、「後継者難」は最多(2026年7月26日)

