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登録M&A支援機関3,498社の実態|6割が専従者1人以下

登録M&A支援機関3,498社の実態|6割が専従者1人以下|M&A Times

M&A仲介会社を探すとき、「中小企業庁に登録されている」という表記を信頼の目安にしている経営者は少なくありません。しかし、登録支援機関3,498社の実態を専従者数や成約実績まで掘り下げると、登録の有無だけでは会社の実力を測れない現実が見えてきます。本記事では中小企業庁の登録支援機関データベースを当編集部で全件集計し、その内訳を解説します。

「登録」は参入審査ではない

M&A仲介・FA業務は、宅地建物取引業や金融商品取引業と異なり、開業に免許や登録が法律上義務づけられていません。中小企業庁のM&A支援機関登録制度は、自由参入のこの業界で一定の質を担保するために設けられた仕組みで、中小M&Aガイドラインの遵守を宣言した事業者が任意で登録する制度です。登録要件は宣言と基本情報の届出が中心で、専従者数や過去の成約実績を問う参入審査ではありません。

加えて、事業承継・M&A補助金の専門家活用枠は登録事業者への手数料しか補助対象にしないため、既存の顧問先からM&Aの相談を受ける税理士や弁護士などが、補助金の対象にするために登録するケースも一定数含まれているとみられます。「登録されている」ことは、専業の仲介会社であることや取引実績を保証するものではありません。

専従者数は6割が1人以下

当編集部が2026年8月時点の登録支援機関データベース全3,498社を集計したところ、M&A支援業務専従者数は0人が856社、1人が1,224社で、合わせて全体の59%を占めました。中央値は1人です。専従者の合計は10,565人に上りますが、内訳を見ると日本M&Aセンター649人、M&A総合研究所329人、ストライク316人、M&Aキャピタルパートナーズ203人と、上位数社への集中が目立ちます。

専従者数社数割合
0人856社24.5%
1人1,224社35.0%
2〜4人977社27.9%
5〜9人284社8.1%
10〜19人104社3.0%
20〜49人35社1.0%
50人以上18社0.5%
出典:中小企業庁「登録支援機関データベース」全3,498社(2026年8月2日時点)を当編集部集計

成約実績「あり」はさらに少数派

専従者1人では他の業務と兼務しているケースも多いと考えられるため、専従者2人以上の1,418社に絞って2024年度の成約実績を見ると、実態はさらに絞られます。「ー」(実績なし、または非公表)と回答した社が911社で64.2%を占め、実績があっても5件以下という社が1,418社中24.0%を占めました。二桁以上の成約実績を持つのはこの1,418社のうち6.8%(96社)にとどまり、101件以上はわずか6社です。

2024年度成約実績社数割合
ー(実績なし/非公表)911社64.2%
〜5件341社24.0%
6〜10件70社4.9%
11〜50件83社5.9%
51〜100件7社0.5%
101件〜6社0.4%

士業が登録する理由

社名から税理士法人・会計事務所・弁護士法人などと分かる登録事業者は791社に上ります。事業承継・M&A補助金の専門家活用枠が登録事業者への手数料しか対象にしないという制度の性質上、顧問先の相続・事業承継の相談に備えて登録する士業が一定数含まれているとみられます。M&A仲介を主業務とする専業会社と、他業務の傍らM&A相談を受ける事業者とでは、体制や経験の蓄積が異なる点には注意が必要です。

依頼先を見極める3つの確認ポイント

依頼先を検討する際は、登録の有無を最初のふるいとしつつ、データベース上で次の3点を確認することをおすすめします。第一に専従者数で、0〜1人の場合は担当者が他業務と兼務している可能性を踏まえ、面談で実際の対応体制を確かめておきたいところです。第二に2024年度の成約実績(バケット表記)で、依頼予定の分野・規模に近い実績があるかを見ます。第三に手数料体系で、レーマン方式の算定方式・最低手数料・着手金の有無を複数社で横並びに比較しましょう。

登録支援機関データベースは中小企業庁のサイトで無料公開されており、社名やエリアで検索すればここまでの情報を誰でも確認できます。なお補助金の利用を検討している場合、未登録の業者と契約すると専門家活用枠の対象外になるため、契約前に登録の有無自体も忘れずに確認してください。

まとめ

  • 登録3,498社のうち59%は専従者0〜1人で、登録制度は参入審査を伴わない任意の宣言制度です
  • 専従者2人以上に絞っても2024年度成約実績「あり」は35.8%にとどまり、二桁以上は6.8%です
  • 依頼先の見極めは登録の有無だけでなく、データベース上の専従者数・成約実績・手数料体系を確認して行うのが実務的です

※本データは中小企業庁の登録支援機関データベースに掲載された事業者のみを対象としています。データベースに登録していない支援業者も存在する点にご留意ください。また、成約実績は登録時点の届出データであり、実際の契約条件や最新の実績とは異なる場合があります。

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